部署を超えた意見交換を通して社内のコミュニケーションが活性化
鹿児島で1870(明治3)年創業という長い歴史をもつ同社は、「ヒシク」ブランドの味噌・醤油・食酢等の調味料を主力商品とし、県内はもとより、大阪、東京をはじめ、海外にも積極的に営業活動を展開しています。鹿児島の味覚文化を広く発信しながら、食の多様化に対応するために、社内勉強会や技術研修を通じて組織全体で人財育成に力を注いでいます。
Q. 勉強会を導入する前、どのような課題をおもちでしたか。
A. 部や課を超えたコミュニケーションが不足していました。そのため、社内の情報共有がうまくできず、社員さんが自分の仕事にばかり意識が向きがちで、視野を広げることがあまりできていなかったように感じます。
Q. 社内勉強会を始めたとき、社員の皆さんの反応や様子はどうでしたか。
A. 社員さんにとって本を読むこと、設問表に答えることが少なかったため、なかなか設問に対する答えが出ないことがありました。相手の意見を否定することなく継続することによって、少しずつではありますが、社員さんの設問に対する回答の中身が充実していきました。
Q. 継続していくなか、会社に起きた変化を教えてください。
A. それまでは自分の課や部内だけの関わりであった社員さんが、勉強会で他の部署の社員さんと意見交換することを通して、お互いの考え方や仕事についての理解が深まり、社内のコミュニケーションの活性化につながりました。
また、勉強会の導入によるものかはわかりませんが、社員さんが自らお客様に挨拶やお礼の手紙を書いたり、お客様第一で行動したりするようになり、得意先から「初めて取引先の方から手紙をもらいました」「いつも良くしてもらっているよ」といったお褒めの言葉をいただくことが増えました。
Q. 導入に成功した要因は?
A. 実質的な勉強会の運営を社員さんに任せていることだと思います。それによって、社員さん1人ひとりが自ら勉強会のメンバーを巻き込んで行動するようになっています。具体的には、チーム編成を1年ごとに行ない、より多くの社員さんとコミュニケーションをとれるようにしています。若い社員さんにチームリーダーを任せたり、司会や書記を代えたりすることによって全員参加型の勉強会になるようにしています。社員さんの設問に対する答えに対して社長が目を通し、コメントを付けていることも成功要因の1つだと思います。
Q. 社内勉強会を通じ、藤田様ご自身が得た気づきや学びを教えてください。
A. 何事も取り組む際は、真剣さと継続が大切であると気づくことができました。また、社員さん同士で意見交換ができてきたことで、相手の立場を考えて行動するようになりました。そして、本誌を読むことで知らなかった言葉も学ぶことができ、「臥薪嘗胆」という言葉は私の座右の銘として、仕事がつらいと思ったときなどに自己の戒めの言葉になっています。
会社情報:業種/味噌・醤油等調味料製造販売
社員数/69名
社内勉強会導入時期/2008年8月
藤田 幸一
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