不平不満が出尽くしたとき前向きな思考に変わっていった
福岡県糸島市で今年創業69年を迎える同社は、土木・建築・住宅・リフォーム・不動産・美装などを手がける総合建設業の会社です。
2006(平成18)年の本誌創刊と同時に「経営者の会」と「社内勉強会」を開始。11年には全社で社内勉強会を導入し、
多くの相乗効果を生みだしています。
Q 社内勉強会スタート時の状況を教えてください。
A 初めは役員、幹部、中堅幹部で始めました。忙しいなかで1時間をつくり、本社から離れた現場から駆けつける人は、
往復2時間を費やしての参加です。
そのため、「なぜここまでして参加しなくてはいけないのか? 現場で仕事をさせてくれ!」と不平不満の発表が相次ぎました。
しかし、居酒屋で愚痴を言っているわけではなく、勉強会の場で思いを出し合っているのだから
「必ず良い方向へ向かう」と信じて継続しました。
半年が過ぎたころ、参加者の1人から「否定的なことばっかり言っていても仕方がない」
という言葉が出てきたのをきっかけに、「だったらどうしたら効率よくできるか、
どうすれば(本誌の)企業事例のように改革できるか、意見交換をしよう」というふうに風向きが変わりました。
不満をすべて吐き出したことで、前向きな思考に変わったのです。
Q 勉強会が全社へと広がった背景には、どんなことがありましたか。
A 弊社では、各自の負担で本誌を購読するようにしています。最初は「経営者の会」のメンバーだけでしたが、
時間の経過と共に徐々に購読する社員が増えています。今では全社員で「社内勉強会」も開催しています。
また、弊社はグループ企業が9社あり、グループ全体で委員会活動を取り入れています。
「理念と経営」の勉強会が基になり各委員会活動が活発になりました。
勉強会で学んだことのアウトプットの場として、委員会による改善の取り組みが進み、
チームワークで成果をあげることを学んでいきました。
Q 勉強会を実施してきて、どんな変化を感じていますか。
A 相当厳しかった08年のリーマン・ショックのとき、「松下幸之助翁を語る」「三位一体論」「企業事例研究」
などを学んでいたことで、一致団結して逆境を乗り越えることができました。
そのほか、お客様から「よく挨拶をされるなど、気持ちのよい社員さんが多いので住宅建築を依頼しました」
などの言葉をいただくことが多くなりました。
株式会社へいせい
青栁 秀昭
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