【編集部より】6月号販売中
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
編集部の松田でございます。
「バブル世代」「就職氷河期世代」などに続いて、最近は「ゆとり世代」が登場し、世を賑わせています。新人の予想を超えた行動は、いつの時代も変わらない、春の風物詩のようなものです。
一方で、「この人に育てられると、これほど見事な人財になるのか」と驚かされたのが、6月号の〝顔〟、船村徹さんです。北島三郎さん、鳥羽一郎さんを育てた、日本歌謡界の重鎮です。
対談当日、重鎮は付き人兼内弟子の小倉憲一さん(通称:カメさん)と共に、会場にお見えになりました。思えばこの日、花粉が多く飛んでいたのかもしれません。私の鼻もむずむずしていましたので…。対談が始まってまもなく、お相手の山本一力さんの鼻にも同じ症状が現れました。そして、とうとう「ちょっとティッシュもらえますか?」と一言。
私は何も考えず、「ティッシュ、ティッシュ」とバスルームに走りました(この日の会場はホテルのスイートルームでした)。バスルームから出てきた私を待ち構えていたのは、ごみ箱を手にした小倉さん。私からティッシュ箱を受け取ると、すばやく山本先生の脇に、ティッシュとごみ箱をセットにして置きました。
ぼんくらな私は、やっと気づきました。ティッシュで鼻をかめば、ごみが出る。小倉さんのスマートな気遣いがなければ、山本先生を「使ったティッシュの置き場に困る」というストレスにさらしてしまうところでした。
その後、カメさんから掲載誌のお礼とともに、ご自身が記事として取り上げられた地方紙のコピーが送られてきました。そのなかで、船村先生がこう述べられています。
「大事なのは人間性。芸とは人格で醸し出すものだ。(中略)声が良いだけ、歌がうまいだけではダメ。人間の基礎、生活の基本を身に付け、心のひだを理解できるようにならなければ、大衆には響かない」
また、別の雑誌では、「この子を世に送り出し、果たしてこの子に風が吹くかどうか、何十年もこの世界でやっていればわかること。早く出しすぎて失敗した例もあります。いい風が吹いている時に送り出してやりたい」と語っています。
歌は心でうたうもの。1999年に弟子入りしたカメさん(写真右端)は、約11年にわたり、船村先生のもとで社会観、人生観を学んでこられました。先生のお墨付きを得てデビューする日は、もう秒読みのようです。
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『理念と経営』編集部
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