「継続」と「素直な心」が揃ったとき、可能性の扉が開かれる
「継続は力なり」と言われます。
何事もやり続けることで学びや理解が深まり、ひとつの境地に到達するのだと思います。
先般、大学の教授や臨床心理士、教師、看護士らがメンバーの大半を占める、ある心理学の勉強会に出席しました。
心理学を直接仕事に使う職種の方々にまじり、そうではない大手企業の管理職の方が大勢参加していることを意外に思いました。
企業の大小を問わず、厳しい経営環境が渦巻く昨今にあって、やるべきことが山積みの立場の方々が、時間と費用を捻出して参加されているのです。
その理由に関心が湧き、数名の方に尋ねてみたところ、ある方が次のようにおっしゃっていました。
「海外の好業績が牽引役となり、会社全体の数字はかろうじて保っていますが、国内の業績は低迷しています。
このまま何もしなければ、じり貧状態になることが目に見えていますので、ここで心理学をしっかり学んで会社にもち帰り、異なる視点から人材育成に活かしたいと思っています」
各社が人材育成に力を注ぐようになり、一定の期間が経過しましたが、ここに来てある種の転換期を迎えているように思います。
それは研修カリキュラムをスケジュールに沿って社員に提供するこれまでのやり方が機能しなくなり、社員一人一人の内面にまで深く入り込んだ関わりが求められてきているということです。
しかしながら人の内面を理解することは難しく、人材育成全般を安易に外務の研修会社に丸投げしているケースを見かけます。
その気持ちはわからないではありませんが、内面にまで入り込み、じっくりと腰を据えてその人の成長と本気で向き合えるのは、一緒に仕事をしている上司であり、先輩であり、同僚にほかなりません。
そのことに気付き、人材育成のプロジェクトチームを社内で立ち上げて、コーチングを取り入れた自前のカリキュラムを試行錯誤しながら進めている会社が最近増えています。
このプロセスを継続することが組織を鍛えるのです。
セレンディピティーという言葉があります。これは「偶然によって思いもよらぬ発見・発明をする能力」という意味です。
1928年、イギリスの細菌学者フレミングは、ブドウ球菌を培養させたまま放置していたシャーレ(化学実験に使う皿状ガラス容器)に偶然カビが生え、その周りだけ菌の発育が抑えられていることに気付きます。
それが世界初の抗生物質であるペニシリンの発見につながったと言われています。
この発見は、偶然が生んだ幸運ではありません。フレミングが日々の努力を積み重ねていたからこそ、手にすることができたのです。
偶然を、成果・結果に結びつけるためには、継続から勝ち取った数多くの知識と、物事を素直に捉える純粋な心が必要なのです。この二つが揃ったとき、新たな可能性の扉が開きます。継続が不思議な力を生み出す事例です。
マネジメントコーチング http://www.nisouken.co.jp/000344.html
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